
昨日行われた鉄道博物館での青函連絡船羊蹄丸就航50周年記念講演会。8月5日が羊蹄丸の就航50周年ということで、いつもの船館ではなく鉄博での特別開催となりました。
朝9:30に鉄博に集合して準備開始。途中11時から「てっぱく学校・時刻表講座」でホールを使うので一時中断・・・せず、展示準備中のもののワッチを兼ねて大神さんと二人で隅っこでキャプションボードをせこせこと作っておりました。みんなでよってたかって準備をして展示が整ったのが12時半頃。安田さんのパワポの文字の色直したりと時間の制約がなかなかシビアでした。

開始直前の様子。鉄博ホールは博物館本体からかなり離れた場所にあるのですが、ほぼ満席。
例によって吉田さんのドラの音から始まったのですが、いつもとドラの音が違うというか、打音とその後の残響音のピッチがいつもと違っていました。なんていうのかな、お寺の鐘の打鐘音は打音から残響音が消えるまで同じピッチで消えていきますし、連絡船のドラの音も同じで打音から残響音まで同じピッチだったのですが、今回の音は薄い鉄板をたわませるときにでるぼよんぼよんという感じの音程の定まらない残響音でした。ドラがいつもと違うモノを使っていたのか、吉田さんがドラ本体のゆがむ音が出るほど気合いを入れて叩きすぎたのか・・・(笑)そのあたり聞くの忘れた・・・

さて、鉄博からの挨拶、大神さんの進行で会が始まり、まずは西沢キャプテンの講演。いつもとちがう会場と雰囲気に超緊張しているようでした。今回は船館ではなく一般向けなのであまりコアな話をするのはどうかなぁということで、あれ?あのネタ出てこないの?というのがけっこうありました。札幌オリンピックの聖火輸送ネタ来るかと思ったら来なかったし。連絡船のこと全般を話そうとしてたのか、「らしい」エピソードネタが少なめでした。
で、その後の大神さんの補足説明、車両航送フックと鉄博展示車両の関係やビデオ上映がありましたが・・・

津軽海峡を横切るソ連の軍艦。列をなしていてどこを横切ろうかという冷戦時代のビデオ。海峡中央部を公海としている津軽海峡ならではの風景で、単縦陣で通過していく艦隊をどこで横切ろうか・・・合わせて情報収集にあつまる自衛隊と米軍も一緒なのでよけいに・・・
艦影の後ろが函館山、左舷側の撮影なのでかなり東にコースをよけているのがわかります。
が、聞こえてくる音声からは緊張感がほとんどなく、後で聞いてみるとかなりまったりモードでやりすごしていたようでした。
そして、羊蹄丸50年への関係者メッセージビデオ。22便鈴木船長登場。

だいぶお年を召されておりますが、まだまだお元気な様子です。
ここまでで約2時間。休憩約5分を挟んで安田さんの講演。

羊蹄丸の歴史ということで、初代、2代目とスライド100枚以上の大作。いつもながら精緻なデータと調査をもとに大学の講義のような感じで話が進んでいきます。こちらも鉄博仕様で連絡船を知らない一般向け要素を多く組み込んでいました。準備時間がなくて・・・と漏らしてましたが、これで準備時間がたくさんあったらどうなるんだろ(笑)後ろで鉄博の人も感心したり笑ったりと濃い内容でした。

羊蹄丸の起工式の式次第。日立造船桜島工場は今はUSJになって跡形もありませんが・・・

内装デザインのコンセプト。床のストライプ模様が懐かしいです。

これまた貴重なオイラン車での船内の限界測定の写真。
羊蹄丸の起工から解撤まで順を追って解説が進みましたが、衝撃の1枚がコレ。

解撤を追っかけて多度津に行ってたときに文字を切り出しているのは見ましたが、その後どうなったのか気になっていたその結末です。なぜに須崎のここで登場したのか・・・そして船名の文字切り出しは今どこに行ったのか・・・シップリサイクルのガレージセール品ではなく、解撤後の品なので、他に何が出ていたのか・・・ものすごく気になります。
約1時間半の講演の後は吉田さんと森本さんの飾り毛布。上杉先生がTOEICの試験監督で来られないそうで、今日は森本さんも連絡船の制服に身を包んで競演しておりました。

ますは吉田さんの解説から始まって和やかな雰囲気で・・・「一人で1分」

最後は松竹梅と四つ葉のクローバーで締めました。

今回は毛布そのものの解説は連絡船の「工」の工部省マークの説明のみでした。やはり鉄博ということで森本さんが連絡船制服で登場したのもそちらへ特化した感じでした。
そして今回の展示。分かってはいるけれど大神コレクション、よくもまぁ次から次へといろんなものが出てくなぁと(笑)

ラシング。いや、ラシング自体はともかく、展示台を作ってしまったというのが・・・しかも車で運べるように分割できるようになってるし、しっかりワム車の色で塗ってあるし。
壁面展示。これ、展示パネルをわざわざ船館から持ってきてました。
ポスターと羊蹄丸初代・2代目の一般配置図。

建造時の写真。もっとたくさんあったのですが、スペースの都合でこれだけにしました。


展示船への改装工事とジェノバでの様子。

そして解撤とシップリサイクルの証明書。

そして今回の展示の白眉がコレ。keiichi氏作 80分の1 ラジコン十和田丸。

バッテリー搭載して照明を点灯した状態で展示しました。大神さんの車からコレを運ぶのすごく緊張しましたです。展示台が足りなくて、このケースの中にもいろいろと航海日誌などを展示してます。ちなみに、例の最終便乗客ノートはこのケースの中、一番右側に展示しました。さすがに住所氏名記載してあるノートなのでページを開いて展示は・・・
コレはものすごく注目を浴びていました。大人はもとより、小さい子どもたちが釘付け。ちなみに準備作業中、バッテリーを入れるために客室を外したところ。



撤収作業後、大神さんの車到着待ち中に



youtubeに実際に航行中の動画が上がってます。keiichiさん、次は50分の1と言ってました。
そして今回の来場者に配られた船長サインカード。鉄博仕様です。西沢キャプテン、1枚1枚直筆でサインをしておりました。

今回は鉄博ということでいろいろルールがあり、史料研究会のスタッフカードと鉄博のスタッフカードの両方の着用が必須となりました。


なかなか手にすることはない鉄博のスタッフカード。今回は鉄博ホールの横から出入りしていたので、鉄博本体の方には全く行ってませんです。
で、お昼ご飯ですが、連絡船が時化などで大幅に遅れたときに乗客に出す非常食レシピを再現して大神さんの奥様が作ってくださいました。スタッフ一同、おいしく頂きましたです。
夏休みとあって、親子連れが多く、ちょっと覗いてすぐに行かれてしまう方もいましたが、そんな中で硬派の講演会にこれだけ人が集まったのは何というかまぁ・・・
次があるんでしょうかねぇ??
後の飲み会もそれはもう盛り上がりましたです・・・。お世話になった皆様、ありがとうございました。
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