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2012年3月26日 (月)

羊蹄丸 最後の航海へ

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 2012年3月25日午前5時。お台場羊蹄丸。最後の朝を迎えようとしていました。この日の見送りをどうするか…N氏とO氏とともに午前3時半頃にお台場へ。まだ誰もいない中、ひっそりと佇む羊蹄丸を見ていました。

 

 すでに陸と船をつなぐものは係留用の鎖のみ。船首には牽引用のロープが用意されていました。

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 夜が白み、一人、また一人…と見送りの人がやってきました。午前6時作業開始…のはずですが、時間になっても始まる気配はありません。そうこうするうちに羊蹄丸ボランティアでおなじみの大神氏が制服を着てやってきました。

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7時30頃、タグボートとよら丸登場。補助の上総丸と夷隅丸はすでにスタンバイ済み。

作業台船の上にはヘルメットをかぶった作業員の皆さんが集合して打ち合わせ。係留鎖の切断作業を始めていました。

眼下をドラを持ったボランティアの吉田さんが歩いて行きました。

そして、船の科学館の職員さんと西沢キャプテンが歩いて行きます。

この後、VTRだけここに残し、カメラを持って船首へ。事前の情報では船首部は作業のため立ち入りできなくなるはずだったのですが、船首で見送りができるようになっていました。

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この旗を大神さんがわざわざ持ってきて広げていました。連絡船の旗はこれでしょう…

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そうこうするうちにとよら丸が船首に接近してきました。牽引索を固定していきます。

東京港の西水路入り口まではアスタンで、そこで牽引索を付け替えてアヘッドに、平均航海速力は6ノットという話を聞いていました。

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船首で記念撮影。左から吉田さん、西沢キャプテン、大神さん。

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船の科学館の皆さん。

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西沢キャプテン。用意していたのはこれだけでなくって…

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手作りで用意してありました。

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予定より10分早く出航。航海訓練所の銀河丸に掲げられたUW旗、銅鑼を鳴らし、長声三発に送られ、静かに滑るように動き出しました。

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岸壁とケーソン、それぞれ両側の隙間10センチ位をきっちり保ち、まっすぐ東京湾へ。

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ゆっくりと向きを変え、たくさんの人に見送られて旅立ちました。

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青海南埠頭公園へ全力でダッシュしてもう1カット。

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立ち並ぶガントリークレーンの前をゆっくりと進んでいきました。この後、観音崎へ…

10時頃に観音崎到着。幸い第1駐車場に車を止めることができました。

遊歩道を歩き、灯台下へ。灯台に上るかどうか迷ったのですが、風があったのと、場所柄三脚が使えないので下から撮ることにしました。

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みなとみらい。画面右下に羊蹄丸がいます。

この日のために500mm/f4をT氏から借りてきました。で、2倍テレコンつけて撮ったのですが、陸上は晴れているのに海上はずっとどん曇り。色がどうやってもきれいに出ないのでえいやっとモノクロにしてしまいました。周辺光量落ちを無理矢理いじってるので変な輪みたいなのができてしまった…

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ベイブリッジと。この辺まで来るとしっかりと色が乗るようになりました。

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鶴見つばさ橋。後ろにでかい貨物船がかぶってしまいました。

船そのものもそうですが、東京湾とわかる絵にしたかったので、かなり無理な撮影をしました。

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スカイツリーと一緒に。うっすらとですが、まさか観音崎から見えるとは思いませんでした。

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だいぶ近づいてきました。羽田に向かうJAL機と一緒に。

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東京湾観音とともに。牽引索が目立たないので普通に自力で走っているように見えます。背後に山並みが見えると陸奥湾の中のように感じてしまいます。

こうして改めてみると連絡船のデザインは船らしくていいなぁ…としみじみと思います。

残念ながら東京湾の中では光が差してくれませんでした…

撮影終了と、連絡船仲間4人で飲んでました…

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ようやく春休み。卒業式と年度末へ向けての怒濤の仕事とスケジュールを何とか乗り切り、疲れた体をレッドゾーンにぶち込むように羊蹄丸…が読めていたので、今日はさすがに休みにしておきました。さっきようやく起き上がり、昨夜書きかけて放置してしまったこれをアップしています。

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コメント

 おひさしぶりです。羊蹄丸レポ、ありがとうございます。
1カット目の光線具合、いいな~。あと、タグボートとのアップなんか見ていると現役時代を想い出します。
 もうこの一コマ々々が撮れないのか・・・何か、先生の思いが伝わって来て溜息出ちやいます。
 人混み苦手な私は腰が上がりませんでしたが、前の今治大橋の記事読んでいると、思わず松山行きの航空券予約しそう(汗)いやね、大島の亀老山からだと見えないか気になってるのですが。
 余談ですがこの春の鉄道シーン。地味だけど変化が大きいですよね。十鉄、屋代線廃止。東海あさぎり、車扱貨物終了。何か、ボディーブローみたいに効きそうです(泣)

投稿: kokubu | 2012年3月27日 (火) 01時50分

おひさしぶりです。「最後の航海」レポ、ありがとうございます。タグボートとのアップや山並みを背景としたカットを見ると現役時代を想い出し、かつまた、センセの連絡船への思いが伝わり溜息が出てしまいます。おまけに、前記事読んでしまうと、思わず松山行きの航空券予約してしまいそうです(汗)
気になっているのが、大島の亀老山に登ったらうまく見えないか前から気になってまして・・・樹木が邪魔かな?
 それにしても今春は十鉄、屋代線廃止。東海あさぎり、車扱貨物終了、他社乗り入れ削減等、地味だけどシビアな改正ですね。ボディーブローのように効いてきそうです(泣)

投稿: kokubu | 2012年3月27日 (火) 02時55分

現地ではありがとうございました。
お話しする時間も少ししかありませんでしたが、この日は三浦海岸で撮影した写真を後輩が送ってくれました。
曳航されている身とはいえ、やはり洋上を行く羊蹄丸の姿は美しいですね。

愛媛で公開される時には時間を作って最後のお別れに行きたいと思います。

投稿: Spoon | 2012年3月27日 (火) 20時45分

おばんです。

>kokubuさん
最後の航海です。船は洋上で走ってこそその美しさが引き立つと思います。
亀老山展望台は来島海峡大橋撮影のお立ち台です。中航路まで約2キロ。500ミリ×2でD200のAPSサイズを使えば1500ミリ相当ですから、もやってない限りがっつり撮れるはずです。問題は一段高くなってる展望台のキャパが少ないこと。何としてもベストポジションを確保したいですね。明日の夕方の便で松山へ飛びます。
ダイヤ改正の度に古き良き鉄道風景が消えていく…時代の流れとはいえあの頃を知るものとしては寂しい限りですね。

>Spoonさん
こちらこそありがとうございました。撮りたいシーンがたくさんあって、挨拶もそこそこに失礼してしまいました。連絡船のデザインはホントに綺麗です。昨今の浮いているマンションのような豪華客船のスケール感はありませんが、均整の撮れた船旅黄金期のイメージを持っていますよね。
愛媛の公開、これが本当に最後になりますからムリをしてでも行くつもりです。

投稿: 西乃湯 | 2012年3月27日 (火) 21時54分

先日はお疲れさまでした。

今朝起きたら一緒に観音崎に行っていた友人から「9時ころライブ船舶マップ見たらもう新居浜ついちゃってるけど大橋の下は深夜に通過だったんでは?」とメールが来てまして、西乃湯さんは無事に撮れたのかなぁ?と心配になりました。結果は如何に?

投稿: 湯島のとも | 2012年3月29日 (木) 12時38分

先日、「湯島のとも」と一緒に居た「おほをさ」と申します。先日はお疲れ様でした。

また、来島海峡追っかけお疲れ様です。
私も行きたかったなぁ・・・なんて。


投稿: おほをさ | 2012年3月29日 (木) 19時29分

レス遅くてすみません。松山から帰ってから年度末に1日半休んだしわ寄せと年度末飲み会の洗礼で死んでました(爆)

>湯島のとも様

無事に撮れました。それはもうすばらしい光景でした。来島海峡大橋の上とか西航路を見下ろす公園にもけっこう人がいたようですが、どうやら西航路を通るまたはどっちに来るかわからないと思っていた方々のようで、来島海峡の独自ルール、順中逆西に従って、100メートル以上の牽引船の特例で中航路を日中限定で通ることを知っていて、亀老山に来た人の方が少なかったようです。
船だけのアップはどこからでも長玉で行けますから、ここは瀬戸内海、しまなみ海道のシチュエーションをきっちりと押さえたかったです。ライブ船舶マップの表示は謎ですねぇ…

>おほをさ様
先日はお疲れ様でした。来島海峡まで行ってよかったです。一生に一度しか見られない光景でしたし…気合いを入れて車中泊決め込んだのですが、人が全然いなくて拍子抜けしました。ズームしながら、レンズを交換しながらいろいろなカットを撮ることができました。さらに新居浜まで追いかけました。最後の着岸、ここで「トモ押せ」のシーンが見られるとは思いませんでした。

投稿: 西乃湯 | 2012年4月 1日 (日) 08時51分

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