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2009年1月31日 (土)

さんふらわあ11(さつま)

Sunflower11

 んーっとですね…全長200メートル近いフェリーですから、全体像の写真がないです。…ので、押し入れから引っ張り出してきた船内で買ったプラモの箱で(爆)有井製作所…今はNゲージでおなじみのマイクロエースですね。全く手つかずの未開封品です(笑)

日本高速フェリーでの竣工時の諸元

船名     さんふらわあ11
総トン数   13,598屯
全長     195.8m
幅       24.0m
航海速力  22.0ノット
最高速力  23.2ノット
竣工     1973年9月

 先日のオフ会で某掲示板副管理人氏と盛り上がった船談義でしたが、その中で出てきたさんふらわあ11。照国グループ総帥の中川喜次郎の肝いりというかほとんど趣味で作ったとしか思えない豪華フェリーラインナップのさんふらわあシリーズ。このさんふらわあシリーズの負担が大きくて会社コケたし。

 特にさんふらわあ11はアンカーが収納式、直列の2本のファンネル、前から見たら純客船というフェリーとは思えない別格のスタイルの良さ。プラモの箱のファンネルは画像処理で赤く塗りつぶされていますが、デビュー当時はここに中川マークがありました。日本のフェリーで直列2本煙突ってこいつだけだったはず。すごくスマートに見えたのを覚えています。

 まぁ、当時のフェリー新造1隻あたりせいぜい20億円の時代に70億円かけてつくった贅沢さ。大阪~志布志~鹿児島航路に就航したのですが、豪華な内装にプールにシアターに連夜のトロピカルショーと大変な人気でした。

 で、こいつの特等貴賓室に乗ったことがあります。探せば乗船券が出てくるのですが、押し入れの奥深く…友人が株主で半額でのれるぜ!ってことだったのでむさい男二人で九州豪遊券と併せて乗りに行ったのでした。半額とはいえ確か二人で4万近くしたはず。

 夏の繁忙期だったので船内は超満員。ロビーなんかにも毛布と簡易枕を置いて2東亜使いにしている状況なのに、乗船手続きをして船内フロントに乗船券を提示すると船員さんが荷物持ってくれて部屋まで先導ご案内してくれるという別格の扱いでした。

Sunflower1104

 ドアを開けて部屋へ入った第一印象は「広い!」でした。このリビングルームだけで学校の教室くらいはあろうかという広さ。奥のドアの向こうにベッドルームとバスルームとトイレ。

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窓にかかっているカーテンは電動でした。窓はリビングルームだけで6枚分。

Sunflower1105

左側の扉が入り口ですが、その横の冷蔵庫、元々は右手にちょっと見えるバーカウンターに専属バーテンがいてサービスをしていたそうですが、私らが乗ったときはもうそのサービスはなく、冷蔵庫の中のものを無料でご自由にどうぞ。足りなくなったらフロントに連絡してくださいという状態でした。

Sunflower1102

ベッドルームにもソファーがありました。おそらくちょっとしたシティーホテルのツインルームよりははるかに広いとでしょう。右のドアがバスルーム。左のソファーの後ろに窓が2枚。写真撮ってる私の後ろにのベッドが2つのツインルームです。

Sunflower1101

20年くらい前に乗った船ですから今から見れば古くさいデザインかもしれないです。とはいえ、こんな船がかつて普通に走ってた、乗れたっていうのは貴重な経験だったと思います。このスペース、全部合わせたら多分今住んでるマンションの面積より広いでしょうね。

 っつーか、昔から船は上等級に乗れと言われたものですけど、この時ほど格差を感じたことないです。ナッチャンを迷わずエグゼクティブクラスにしたのもこの経験があったからこそ。特等貴賓室はロビーの雑魚寝2等スペースの何人分?って考えたら定価の約4万円だって決して高いモノじゃないと思えてしまうあたりバブル世代の発想なのかなぁ…

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コメント

さんふらわあの全景ね、うちのミカン山から三井造船にドック入りしているところを撮るのがベストポジションだったんですけどねぇ。

投稿: こまぴん☆ミ | 2009年2月 1日 (日) 02時51分

おお~っ、これが件の「特等貴賓室」でっか!

「さんふらわあ」は「えりも」だか「みと」だか、どっちかに乗船したことがあります(大洗~苫小牧)が、2等船室以外は、乗船したことがないですわ。

飛行機の場合、団体客とかでエコノミーが満席だと「お客様、お一人でしたら弊社の事情によりビジネスのほうへ無料でご案内させていただきますが…」ってのがたまにありがちですが、船の場合、その手の類の話は聞いたことがないですな。残念~。

投稿: くりはし | 2009年2月 1日 (日) 14時55分

おばんです。

>こまぴん☆ミ
いや…ミカン山からドック入りの姿って…そりゃ一般人には反則ですがな(笑)まぁ志布志港で1日粘っていれば撮れたんでしょうけど、なんせ乗り鉄とセットでしたからねぇ…

>くりはしさん
船は等級差別が大きいですからねぇ。飛行機も船のシステムを元に作られてるから同じようなモノですけど…船の上等級は基本的に部屋単位だからそういうアップグレードは基本的にはないでしょうね。まぁ昔々東日本フェリーで乗ってから差額払うから1等変更って言ったら1等は営業してないから差額いらないからドライバーズルームのベッドで勘弁してって言われたことはありますけど…

投稿: 西乃湯 | 2009年2月 1日 (日) 21時44分

さんふらわあ、って、クイーンコーラルの姉妹船みたいなものだったんですね。十数年前クイーンコーラルで沖縄に行った時、船内で出会った年配のおっさんから『この船は中川海運』と聞いて、何のことか分からなかったのですがここの社長がさんふらわあも造ったとつい最近知りました。この時期の鹿児島は新婚旅行でにぎわっていたので観光業は今とは比べ物にならないくらい元気だったのでしょう。

志布志から大阪南港へのさんふらわあ乗ったことあります。鹿児島からの接続は大変と言えば大変ですが専用連絡バスがあるし・・

投稿: ねっぴー | 2012年4月28日 (土) 15時49分

こんばんは。

初代クイーンコーラルは当時照国郵船の船で、さんふらわあ11は日本高速フェリーの船でしたが、いずれも親会社が照国海運、元をたどると中川海運で、中川喜次郎氏が設立した会社でしたので、その趣味が色濃く反映されているんじゃないかと思います。

で、初代クイーンコーラルは沖縄海洋博をあてこんで豪華な造りになっていたようで、フェリーなのにトラックを積めない船でした。十数年前のクイーンコーラルシリーズだと7か2代目か8かプラスのどれかに乗船されたと思いますが、豪華船旅を優先する設計思想を考えると、初代さんふらわあシリーズ5隻の姉妹船と言えるのは初代クイーンコーラルとクイーンコーラル2の2隻でしょうか。

何せ、さんふらわあ11やクイーンコーラルの就航と前後して親会社の照国海運が倒産してしまったものですから、そのあおりで子会社の日本高速フェリーは最終的に解散、照国郵船も倒産、会社更生法の適用になって、後にマリックスラインへ改称だったと記憶しています。

初代クイーンコーラルは引退したものの新造船ができるまでのつなぎで一旦復帰、1986年に引退売却、クイーンコーラル2は引退の後関西汽船に行ってくいーんふらわあと改名して結構後まで動いていたと思います。

豪華でなく、単なるフェリーになってしまっても、一世を風靡した「さんふらわあ」と「クイーンコーラル」の名前は九州の海運王であった中川喜次郎氏のものという鹿児島の人の誇りが「中川海運」という言葉に象徴されているんじゃないかと思います。

私も連絡バスに乗りました。結構時間かかるし、夏の繁忙期でしたので、補助席まで満員…バス到着から出航まであまり時間が無く、慌ただしかったのも覚えています。

投稿: 西乃湯 | 2012年4月30日 (月) 02時25分

ついに3代目が就航しましたね。3代目はバルコニー付きです。
流石にこれには劣るかもしれんけど・・・。

投稿: | 2018年6月 1日 (金) 23時14分

こんばんは。

デビューしましたねぇ。乗りたいですが時間が・・・
今はスイートルームですが、当時の特等貴賓室って名前が何とも言えない特別感を醸し出してますよね。日本語の、漢字の持つ雰囲気とでも言いましょうか。
設備の機能的には今のものの方が進んでるし合理的で快適なんでしょうけど、何というかな、格式が違うように思います。古き良き時代を映した、お金があってもそこへ立ち入ってはいけないっていうオーラを出している、階級差というか・・・若造が乗っておいて何を言うかと言われそうですが・・・今思えば賓客としての立ち居振る舞いをしろって無言の圧力を感じさせられる雰囲気でしたね。

投稿: 西乃湯 | 2018年6月 3日 (日) 21時18分

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